居住まい
新藤監督が亡くなった。ご冥福をお祈りする。
直接お見かけしたことがある。
立ち上がったばかりのT研究所で、昔、特別講義をしていただいた時だ。
奥様の音羽信子を亡くされて、半年ぐらいしか経っていなかった頃だったと思う。
どういう経緯で依頼が届いたのかはわからない。
研究所の偉い人のツテだったのだろう。
新しい組織というのは、時にイレギュラーで面白いハプニング的なことが起こるものだ。
私も、研究生に混じって、野次馬的に聴講させてもらった。
「監督を志す人は、シナリオをたくさん書かなければならない」というようなことをおっしゃっていたと思う。
その言葉がみんなに届いていたのかはよくわからない。
現に自分自身もうろ覚えだ。
しかし、はっきりと憶えているのは、新藤監督の居住まいだ。
毅然として揺るぎない話しぶり。
小柄だったが、だからこそなのか、ダイアモンドの粒のように輝いて見えた。
畏怖の念を自然と感じさせるあの居住まいは、今なお印象的だ。
惜しい方を亡くされた。
改めて作品をいくつか見直してみたい。
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