テーマ
今年の密やかなテーマは、「本を読むこと」だ。
毎月のAmazonへの支払い金額を聞けば、「十分読んでる」と言う人もいるかもしれないけれど、そうではない。
今年の僕が読みたい「本」というのは、興味本位で読む雑誌や即効性のある実用書、研究テーマに沿った専門書ではなく、何の役にたつのかわからない本のことだ。
僕は、そんな本を永らく遠ざけてしまっているように思う。
そういう本を読むことによって、精神の豊かさ涵養や、気持ちの萎え対策……といった効用を考えるつもりもなく、もっともっと、メタのレベルの効用を期待……いや、見返りを期待しちゃいけないな……本を読むことだけを目的にして時間の無駄づかいをしたいのだ。
「趣味は読書」と言うことができるのは、読書を手段ではなく、目的とする人だけだ。僕もかつてはそうだったと思うけれど、最近は違っていた。
自宅から鉄砲坂を上がったところに、小さな図書館がある。
先日、初めて利用者登録をして、思いつくまま、気の向くままに目に付いた本を借りてきた。今の日常からかけ離れた、小説の本。
読めば小一時間で読み終わるはずだと思うのだけれど、日常に忙殺されて、なかなか、読むことができない。かれこれ2週間が過ぎ、ついに貸し出し期間が終わってしまった。
ふと、自宅の本棚を見たら、その借りてきた本の文庫本が、すでにあった。奥付をみたら15年も前に買って持っていたようだ。ダメだなぁ……。
そんなこともあって、改めて、「本を読むこと」を自分のテーマにする必然性を感じている。自分が失いかけているものを、本当に失ってしまう前に……。
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