土曜日の楽しみ

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最近、土曜日が楽しみだ。定期購読している東洋経済で先頃始まった二つの連載がとても面白いからだ。真山仁「ベイジン2008」と佐藤優「知の技法・出世の作法」だ。

真山仁と言ってとおりが悪ければ、NHKドラマ「ハゲタカ」の原作者だった人だ。元新聞記者らしく、緻密な取材に基づいていて、虚実皮膜のところをうまくつく作風が特徴。「ベイジン2008」は、2008年8月8日の北京オリンピックの開幕と同時に世界最大の原発を運用開始しようとするプロジェクトが舞台。第1回は、その当日、安全性に疑問を持って停止させようとする日本人技術者と、あくまで運用開始にこだわる市の役人との対立から始まって、ものすごい緊迫したシーンだった。「次はどうなる……」とテンションが上がるだけ上がっていて、今は、2005年に戻って、日本人技術者や中国人官吏のバックグラウンドが描かれている。次が気になってしょうがない。
推測するに、きっとモデルとなる人物がいるんだろう……日本サイドはいいけど、中国サイドでモデルにされた人は大丈夫なんだろうか? 汚職の件とかも書かれていたりするけれど……中国だったら確実に発禁処分ものだと思う。台湾で翻訳出版を考えるか(笑)。
とはいえ、中国の言論状況をあまり笑えない。日本でもこの話はたぶんテレビドラマ化は無理。電力会社は大スポンサーだもんな。大量の「オール電化」のCMに紛れさせて「原発の安全性・有用性」を訴えるCMをねじ込んでる。そんな意向には逆らえないでしょう。NHKならできるかな。でも、火中の栗は拾わないでしょう。劇場用映画ならできるかな……。でも、結局、広告代理店・新聞・テレビ局が入った製作委員会が発意しないと企画って立ち上がらないもんな……。

佐藤優は、ヒューミント(ヒューマン+インテリジェンス要するにスパイ)の世界が、「袈裟の下から鎧」的に見えるのが面白い。ジュンク堂に、佐藤優書店ができたということなので、行ってみようと思っている。

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このページは、washiが2007年6月30日 08:55に書いたブログ記事です。

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