眠れない夜

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木曜の夜から金曜の朝に掛けて、夜中に起きたら眠れなくなってしまった。
ベッドの上でまんじりともしないので、「いっそ眠くなるまで起きていよう」と、起きて本を読み始めた。
図書館への返却日が迫っている積ん読になっていた本がいくつかあったからだ。

上條晴夫『授業導入100のアイディア』
上條晴夫『よくわかる授業上達法』

小学校の教諭のための本だけれど、大学のセンセイだって(もしかしたら職場の先輩だって)、人にモノを教える……という意味では同じだ。

自分は、今の職場に移って7年めになる。
非常勤講師やカルチャースクールの先生ということだと15~6年経つと思う。
長らく「教える」ことを仕事にしてきたのに、その技術についてはきちんと勉強したことがなく、我流の積み重ねでやってきた。
PCやソフトウェアのテクニカルな部分の授業については、最終的な目標も、それに至る道筋もハッキリしているから、教える技術の最適化も自分なりにできてきたと思う。
しかし、座学の講義は難しい。ずっと手応えを感じられずに来ている。

そんな中、図書館でふと手に取った、小学校の教諭向けに授業の技術を説く本が、色々と学ぶこと、得ることが多い……ということに気がついたのだ。
今更かもしれない……でも、「過ちを改めるに憚ることなかれ」というやつだ。

過去の自分の大きな誤解を懺悔すると、「座学の講義を『企画提案』や『発表プレゼンテーション』の延長で考えていた」ことだ。
自分は、教える以外の仕事として、企画の提案や、営業的な説明や、要点をかいつまむ発表などをする機会が多かった。そして、お世辞やねぎらいを真に受けて、「自分のプレゼンって結構イケてるかも」と天狗になったこともあった。
そうした勘違いした成功体験が、座学の講義をプレゼンの延長と考えてしまう要因だったと思う。

この考えに捕らわれていると、授業中に眠ってしまう学生や、退屈そうにしている学生を何とかしようと考えた時、「もっと上手いプレゼンをしよう」という発想になってしまう。これは、問題の解決にはならないのである。
なぜなら、座学の講義は、教員のプレゼンテーションの場ではないからである。

「授業とは、教育内容から学習者に適した教材を取り出しそれを目標化すること」……今更ながら、確認したい。
実際、テクニカルな講義は、それができていた。そして、座学はできていなかった。
秋学期、300人近い1年生を相手にした講義科目が予定されている。
さて、どういうふうな授業にしたら良いんだろう。
学習者は、大学1年生……言ってみれば、高校4年生だ。
彼らに適した教材を取り出さなければならない。
そしてそれを目標化する……つまりゴールを決めて、それに至る道筋をいくつか用意して、学生諸君が努力・工夫しながらそこにたどり着けるように、フィードバックを送り続ける必要があるということだ。

一筋縄ではいかないが、「上手いプレゼン」よりは、努力の方向性としては正しくなったと思う。
そんなことを考えていたら、寝たのは結局、明け方5時過ぎだった。
1限の講義に遅刻せずに出勤した自分を誉めたい。

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このページは、washiが2012年6月 3日 06:04に書いたブログ記事です。

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