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面白かったので、コピペしておく。

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■新潟日報「日報抄」10月1日付

一九三二年、靖国神社で満州事変と上海事変の戦没者を合祀す
る臨時大祭が行われたときのことである。配属将校に引率され
た上智大学の学生二人が参拝を拒み、問題になった

▼イエズス会が設立した大学に学ぶ二人は、熱心なクリスチャ
ンだった。軍部を怒らせて存亡の危機に直面した大学は、屈服
せざるを得なかった。「靖国神社参拝は国民の公の義務であり
、各自の私的な信仰とは別の事柄であることを了解した」と文
部省(当時)に伝え、学校挙げて参拝したのである

▼そんな宗教界に、軍部はさらに「踏み絵」を迫った。三八年
、大阪憲兵隊に十三項目の質問を突き付けられたキリスト教会
はぞっとしたことだろう。「わが国のやよろずの神々に対する
見解」「皇祖皇宗の神霊に対する観念」について答えよという
。質問を批判した衆院議員は逮捕された

▼圧力に抗しきれず神武天皇以来の建国神話を認めたキリスト
教団体を次に待っていたのは、治安維持法による弾圧の嵐だっ
た。「祭政一致」という言葉で語られた戦前の政治と宗教の一
体化が、国民の自由を奪い、国の針路を誤らせた

▼苦い歴史の教訓から、新憲法は国家と宗教の分離を厳格に定
めた。靖国参拝は「公的」で、憲法に違反するという三十日の
大阪高裁判決を、小泉純一郎首相は重く受け止めてほしい。一
方で二十九日の東京高裁判決は、首相の参拝は「私的」として
、憲法判断に踏み込まなかった

▼小泉首相は「判決もいろいろ」の心境かもしれない。だがこ
れまでに「首相の靖国参拝は違憲」という判決は何度か出され
ているものの、「合憲」とする確定判決はないのである。
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このページは、washiが2006年8月20日 11:08に書いたブログ記事です。

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