2007年5月アーカイブ

「欠席される場合は連絡ください」という、出席を強要される連絡が回ってきて、金曜日の夜は、ファカルティとスタッフ総出の懇親会だった。
パーティなぁ……基本的に嫌いじゃないけど、立食パーティは一人で静かに食事をしてるのが罪悪みたいな気分になるのがちょっと……かといって、知り合いとだけダベっていたのでは寂しいしなぁ……。
懇親会の幹事は持ち回りということで、今回は、法人ナントカ部ということで、パーティの運営も手慣れた感じ。諸々、そつがなかった。到着したら、くじの券を渡されて、そこに机の指定がされていて、知ってる人同士が固まらないように、また、料理が満遍なく行き渡るように工夫されていたのだった。

そんな次第で、見事に戦略に乗せられ、初対面の人に話しかけ、話しかけられ……ということになったのだけれど、なんか普段出会うことのない人、しかも、高い専門性を持ってる人ばっかりだったので、聞く話がどれもこれもとても面白かった。

その中の一人、言語聴覚士の先生とは、「高校生の頃、自転車で転んで頭を打ってから、話がスムーズにできないんですけど……」という悩み相談に乗ってもらった。
「これだけ話せてれば、保健は適用されないですねぇ……」と一笑されたけれど、食い下がってみた。
「どんな人も年をとってくると会話の能力は落ちてきますから、そういう意識を持って努力していれば、年齢相応の100%に回復しますよ(笑)」と先生。
「レジュメがあって、話す内容が準備されているのはまだ良いんですけれど……」
「リハーサルするのは良いですね」
「何もない状況から、話したいことを話すというのが難しいです」
「アドリブというのは、一番、高次な機能なので、回復しにくいでしょうね……」
「いわゆる「話し上手になる本」みたいなのは、「聞き上手になりましょう」みたいな答えしか用意されてないですよね」
「それは、コミュニケーションの能力の問題ですもんね。言語の能力ではない。」
「何か、そのアドリブの能力を高めるための訓練というのはあるんですか」
「自分の話しているところを録音する。そして、それを聞き返す。進歩を確認する……ということでしょうかね。できれば、一人じゃなくて、相手がいて、会話している状況の方が良いですね。予想外のことを言われるためには相手が必要です」
「なるほど!」
他にも細々と話しをしたけれど、もう、目からウロコで、腑に落ちまくり。
あとで、周りにいた若手の人が、私に話しかけてきて、「私も勉強になりました。○○先生は、日本の第一人者なんですよ!」
あー、事故の直後とか、大学に入ったばっかりの頃に、この話を聞きたかった……。

私はすっかり味をしめた。次にこうした機会があれば、初対面の人に話しかけて、その人の専門分野について根掘り葉掘り聞いてみよう。思わぬネタが拾えるかもしれない。

今にして思い返せば、W大の助手室の大部屋は、日々、こうした効用があったなぁ……。

さらに思い返せば、昔、好きになった女のヒトは、みんな、突拍子もないことを言うヒトばかりだった。川西蘭「春一番が吹くまで」的な世界が、ちょっと懐かしい。
リハビリ欲求を満たそうとする心理も働いていたのかもしれないな……。

クライアントが自分の仕事のクォリティが、オーバースペックだと、時間が足りなくなるのだということに思い至った。

他人から頼まれた仕事は、制限時間内で期待されているクォリティ以上にやることが必要だ。その差が、クライアントにとってのインセンティブになり、次の仕事につながるからだ。

自発的にやる仕事は、クォリティのオーバースペック分がインセンティブとして働かない。むしろ、適当なところで折り合いをつけ、できるだけ短時間で仕上げることが、むしろ望ましいのだ。

自発的にやる仕事は、自己投資と言い換えても良いかもしれない。
時間として過剰な自己投資は、自分のためにならない……ということか。

季節の変わり目のせいか、ツマのヒトが風邪をひき、熱を出して倒れてしまった。

買い出し、料理、看病……久々に目が回る感じを味わった。

そんな中でも仕事が気になる自分。
プライベートに軸足を置いて、仕事がちゃんとできてないような気がして、気が咎めるんだなぁ……。

ツマのヒトに申し訳ない気分になる自分。
こんなときも仕事を気にするなんて、ツマのヒトに対する思いやりが少ないような気がして、気が引けるんだなぁ……。

集中できる人、「やり切った」という充実感、達成感をしっかりと感じられる人が羨ましい……。
中途半端な気分のままだけど、もう寝なきゃ……。

テンパってきた

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テンパってきた。いろんなタスクが山積みになってきている。

書類も片づかないし、連絡も滞るし、資料作成もできないし……でも何がネックになってタスクが溜まり続けているのかよくわからない。

マシンのようにタスクを処理しているのに、山積みのタスクが一向に減らない。
労力はかかっているのに、成果が出てない。ドライブ感がない。

俺が今やってることって何なんだろう……ちゃんと仕事になってる?
あるいは、何ができてない? 優先順位づけ?

トラブルの原因として、ひとつ思い当たるのは、電車通勤を止めて、カブで移動を始めたこと。前は通勤電車の中でやっていた手帳の記入、手帳の見直しが、今は、おざなりになってしまっていること。

そのほかのデイリーやウィークリーの繰返しタスクと併せて、タイムテーブルの見直しが必要か……。

今月号のサイゾーの、岡田斗司夫の「夢の島メディア考現学」で、東京国際アニメフェアのアニメ評論文コンテストについて書いていた。趣旨としては……評論は、評論として評価されるべきで、アニメに資するか否かで評価すべきではない……という自身の主張をめぐる、主催者・他の審査員との対立の悔恨である。

個人的には、僕は岡田斗司夫の主張は正しいと思う。
彼の言うとおり、優れた評論というのは、それ自体が、ひとつの独立した表現だ。
上手な提灯記事を書いた人間を表彰して金を渡しても、そんな行為にサスティナビリティは発生しない。そこには、意義がないからだ。実際、第2回以降、岡田斗司夫がいなくなってから、そのコンテスト出身者が活躍しているとも聞かない(僕が知らないだけかもしれない……だとしたら失礼)。あげく、コンテストの趣旨が迷走し……こんな調子では、次回の開催はあるのだろうか……という状況だ。

優れたアニメ評論というのは、アニメを抜きにしても成立する。
建築の評論が、建築家以外にも読まれるように。
タモリがその昔「ハナモコシのシェネ-地中海風」というネタでやったように、どんな材料を使っても、料理はできるのだ。その食材が架空のものであったとしても……。

とはいえ、そうしたことは自明なのであって、改めて、コンテストの受賞作の選出過程や、表彰式の講評の場で議論するまでもないことだ。
主催者やほかの審査員とその認識を共有できなかったのは、不幸なことには違いはないが……。
そのあたり、オタキングは、タモリの後塵を拝していると言わざるをえないだろう。

未来時給

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個人的に、週刊の経済雑誌の中では、「東洋経済」が一番好きだ。「日経ビジネス」は、一人称が「日本」になるナショナリスティックな感じがしてどうも……。保護主義的だし、経営者擁護的だし。
その点、東洋経済は、(比較的)コスモポリタン的だしリベラルな感じだし。石橋湛山以来の小日本主義の伝統が生きている気がする。数年来、年間購読中。

今週の特集は「未来時給」。いろんな業種の時給ランキング。そして将来その時給はどうなるのか。
まぁ、軽く読みながしていただけだったのだけれど、週中に、アンケート用紙が届き、答えたら漏れなく500円の図書券というので、目先の金に目がくらんで、改めて読んでみた。

大学の先生は、給料は安いけど、時給は高いということになっている。これは、ちょっと乱暴な計算ではないかなぁ……。確かに、授業は、週に数回で、その時間で給料を割ったら時給は上がる。しかし、授業のために下調べをしたり、教材を作ったりするのには、授業の何倍も時間がかかる。さらに大学を本務にすれば、教授会やらナントカ委員会やら、細々と打合せに時間をとられる。「研究日」だって、休みじゃなくて、仕事のうちだ。
そう考えると、時給は機会組立工とか、販売店員と変わらない計算になる。大学の先生は、なるのは大変なのに、割にあわない仕事だと思うなぁ。

中国と日本の賃金格差がなくなりつつある業種のひとつとしてアニメーターが挙げられていた。
以前、日経系のある雑誌でも似たような特集があって、ある知人が取材を受けていたのだけれど、「あんまり雑誌が、アニメーターは安月給で大変だって、負の側面を強調して書くので腹に据えかねる…」と、「モノになる人はきちんと稼げるし、同世代のサラリーマンよりずっと稼ぐ」ということを何度も力説した。それにも関わらず、その雑誌は、相変わらずステレオタイプの記事を書き、「最初に結論ありきで、事実をねじ曲げている」とかなり怒っていた。今回の東洋経済の記事は、見出しこそ、従来のステレオタイプの延長線だけど、内容としては、負の側面の強調というわけではない。東洋経済の取材姿勢を個人的にちょっと見直した。

業種別の生涯給料ランキングの記事もあった。それによると、コンテンツ業界では、GDHが生涯賃金3億2136万円で、スクウェア・エニックスや東宝などよりはるかに高いのだった。ていうか、新卒入社から定年まで勤め上げた人がいない会社、トップの年齢が40代の会社の生涯賃金を出してみても、意味があるのかな……。

そういえば、某T社が、大学生の入社希望ランキングでここ数年上位に食い込んでいるけれど、その理由が俺には透けてみえる。リクルート関連の紹介雑誌に乗るT社の平均年収は、同業他社よりも、ちょっとばかり高いのだ。しかし、学生諸君のアサハカなことよ……T社の社員の平均年齢は高いぞ。平均年収も高くて当然だわいな……。

クリエーターのキャリアパス……というのは、ちょっと人によってマチマチで、またサンプルも少ないので、一般化は危険だと思うけれど、生涯賃金としては……クリエーターにも関わらず社員という身分で入社して、その後、契約に切り換え歩合で給料をもらい、さらにその後、クリエーターとして通用しない年齢になったときに、一般職として社員になって、退職金をもらいながら定年……というキャリアパスをたどるのが、自分で起業しない場合の、マックスになるのかなぁ……?。こうした「余生」を送るクリエーター上がりの社員の存在がT社の社員の平均年齢・平均年収を押し上げている? 「受験の成績」がマネジメント能力と相関があると信じられているけれど、そんなのは、ドグマにすぎないんだから、「クリエイティビティ」がマネジメント能力と相関があるという教義を信奉する企業がこの広い世の中に一つ二つ存在したって、悪くはない。

ともあれ、「未来時給」の特集は、平たくいえば、「将来、効率よく稼げる仕事は何?」ってことだけれど、個人的には、その「効率」が政治・法律によってもたらされている仕事の将来は暗いと思う。現に、大学や歯医者の黄昏は意外と早くやってきた。薬剤師や弁護士はどこまで耐えられるんだろう……。海外だと、放送局はうまく業態転換ができてる感じだけれど、新聞社はかなり瀬戸際だな……。
そう考えると、楽な商売ってそうはないなぁ……効率が悪くとも好きな仕事をするのが一番か……。でもなぁ……。

Macで親指シフト

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かねて懸案のMacbookの親指シフト化に、ついに成功。
嬉しい限り。

こちらのサイトが、画面キャプチャ付きで、最高にわかりやすかった。

日記を更新しないと、当然、知り合いは見に来ないわけだけれど、そんなとき、mixiの足跡は、アフィリエイトとかねずみ講とかの宣伝に誘導しようとする連中で一杯になる。

そんな連中は、もちろん、mixiの利用規約違反であるし、なによりかにより、不愉快なので、僕は問い合わせフォームからガンガンと通報している。

まぁ、そんなことに時間をつかうぐらいなら、日記を更新すれば、もっと生産的かな。

でも、そんな動機で更新される日記って、意義はないよなぁ……。

アキバ

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と、そんなこんなで、土曜日の昼、アキバへ。
アキバ、結構行っているけれど、外神田方面・PCパーツ屋さんは久しぶり。なんだかんだでアキバヨドバシに囲い込まれていたからなぁ……。

話には聞いていたけど、PCパーツ屋さん、減ったなぁ……。
行き交う人も観光客ばっかりが目立つ。

壊れてしまった電源を探したのだけれど、やはり見当たらない。
そうこうしているうちに、同じケースを発見。
店員さんをつかまえて、「このケースに使われているのと同じ電源ありませんか」と聞いてみたけれど、「無いですね〜」とつれない返事。
「電源だけ売ってくれませんか」「それはちょっと……」

なんか、こう、融通が効かない。
いっそ、丸ごと買って、ケースは捨てちゃって、電源だけ持ち帰ってくれば良かったか……。

復旧の遅れ

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壊れてしまった電源と同じ型のものを探したのだが、ぜんぜんヒットしない。
せめてサイズが同じものを……と思うのだけれど、ファンの向きが合わないものしか見つからない。
電源、そんなに特殊なものなのかねー。

しょうがないので、ケースを丸ごと交換することにした。電源単独より、ケースごとの方が安い。手間もかからない。使っていたこのケース、可愛いし、使い勝手も良いし、気に入ってたのになぁ……。

クレバリーのeshopで、雰囲気の似たケースを見つけたので、発注したのだけれど、

この度はクレバリーeshopにご注文頂きまして、誠にありがとうございました。
下記のご注文内容をお預かり致しました。
内容・在庫状況を確認したうえで、2営業日以内に当社より詳細をお伝え致します
ので、今しばらくお待ちください。

ポチった直後にこんなメールが来たものの、その後ウンともスンとも音沙汰がない。
もう週末になっちゃった。とっくに2営業日過ぎてるのに。
目論見としては、もうこの週末に届いていて、土日で作業をするつもりだったのに、なんという不誠実さか。これから「在庫ありました」「ホントに買いますか」「じゃあ送ります」なんてやりとりをするのか? そんなんだったら、もう、アキバに直接買いに行くわ。クレバリー以外の店に!

ここ数日、ファイルサーバーとしても使っているメインPCのファンの音が異常に大きく、今日になってよくよく見てみたら、電源のファンが回っていない。ケースもものすごく熱くなっている。ケースファンとCPUファンが、電源ファンの分も一生懸命回っていた。

とりもなおさず、電源を落として、カバーを開けて、扇風機からの風を当てて、冷ましてみた。
十分に冷めた頃合いを見計らい、内部の埃などをブロウして、改めて電源スイッチを入れてみたが、ウンともスンとも言わなくなってしまった。
電源、死亡。

IDE/ATA to USBの変換ケーブルがあるので、データのサルベージはできるけれど、それでは、あまり意味がない。
たとえば、金曜日に使う予定の資料用の動画ファイルをVideo iPodに保存するというタスクなんかには超えなければならないハードルがたくさんある。
挑戦する気力すら失せる……。

今数えてみたら、うちの部屋、PCが12台あった。そのうち、常時電源が入っていて日常的に稼働しているのは3台もある。しかし、このメイン機1台の稼働停止がこんなにもクリティカルだなんて……。

メイン機は、本来、テレビパソコンとしてのPCだったはずなのに、ハードディスクを増設したのをきっかけに、いつのまにやらファイルサーバーも兼ねるようになってしまったのが失敗の元だった。PCでテレビが見れないだけなら別に問題はないけれど、仕事を道連れにしないでくれ……。

新しい電源を買ってくるついでに、NASを入れよう……とほほ……。

癒し

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最近、心が和むことといえば、カブに乗ってトコトコと走ること。
なんで、これだけのことが、こんなにも楽しいのかなぁ……。

昔、カブに乗っていたときは、原付免許をとって、すぐに乗っていた。
その後、車の免許をとって、今回普通二輪免許をとって、また改めてカブに乗っているわけだけれど、以前とは乗り方が違っていることに気がついた。
今は、後方確認など、しっかりと頭をまわして目視している。前は、バックミラーで済ませていることも多かった……。教習所で指導を受けた意味は、こんなところにもあったのだなぁ……。

乗っているとき、あちこちを見回して広く視界をとっていると、なんだか、往年の中田ヒデになったような気分すら覚える。
運転に余裕が出てるのかな。だから一層楽しいのかもしれない。

Time for Brunch

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ウチでは、休日の食事、なんだか、僕がつくることになってしまっているのだけれど、料理のときは、ラジオを付けてることが多い。

昨日の日曜日、J-WaveのTime for Brunchのお散歩コースが、自宅周辺の護国寺だったので、サイトからメッセージを送ったら、思いがけず、ラジオで読まれた。

「これ、俺が送ったメッセージ」と、ツマのヒトに話したら、「やだー、ラジオに投稿するなんて、オタク受験生みたーい」と馬鹿にされてしまった……。

まぁねぇ……反論のしようがない。
結構、J-Waveは投稿の採用率が高くて、僕は好きなんだけどなぁ……まぁ、そんな問題じゃないけどねぇ。

杜の都

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東京に戻る前、仙台で小休止。1泊した。
浪人生のとき、仙台で悶々鬱々とした1年を過ごしたのだけれど、それ以来の仙台。

浪人時代は、予備校の寮と、予備校の往復。
最初に根を詰め過ぎたせいか、受験直前になったら、なんか、もう勉強する気がなくなってしまい、授業をさぼって、中央通りをぶらつき、東北大学のそばの古本屋に入り浸り、寮では回覧板のように回ってくるマンガ誌とエロ本を読み、いつもどこかで繰り広げられている部屋飲みを梯子……と、まぁ、ダメな浪人生を地で行く展開だった。

予備校の寮の中庭に、テニスコートがあったのだけれど、日曜日の朝に、女子寮のコたちと、テニスをしているグループがたまにいて、その楽しそうな嬌声で目が覚めたときとかは、腹立たしかったなぁ……。
想いを同じくする仲間たちと、日を改めて、テニスをしてみたが、男同士で球を追いかけても楽しくもなんとも無かった。5分で飽きた。二度と誰も「テニスをしよう」なんて言わなかった。

金も無かったし、やる気も無かったし、希望も無かったし……そんな頃に過ごした街なので、仙台に対しては良い印象は、個人的には、まったく無い。

とはいえ、時の流れというのはよくできたもので、最近は、そんな仙台のことが懐かしくも思えるようになってきた。
盛岡などへの所用で、新幹線で何度か仙台を通過するうちに、もっとじっくり仙台のことを見てみたいと思うようになったのだ。

いやー、降りてみてびっくり。仙台、大きく発展したなぁ。
僕がいた頃は、東京でいったら吉祥寺とか錦糸町ぐらいの感じだったけれど、今は池袋ぐらいな感じまできてる。
暮らしやすさ、住みたいなと思わせる感じでは、むしろ池袋をしのぐなぁ。

昔の印象では、女性が不細工というものがあったけれど、それもだいぶ緩和された感じがする。こちらの心境の変化なのか、発展過程で他地域からの流入がたくさんあったからなのか、ゴールデンウィーク中で旅行客が大勢いたからなのか……理由はわからないけど。

街の中の緑も、昔は定禅寺通りがちょっと充実していただけで、他の通りは別に大したことなかったのに、今は、青葉通りも広瀬通りもそれなりに見れる感じがする。杜の都の名に恥じない。

仙台市内の周遊バス「るーぷる」で、名所を回ってみた。
瑞鳳殿や、青葉城には、今回、初めて行った。
仙台メディアテーク」は、前から興味があったのだけれど、行くのがちょっと気が進まなかった。「どうせ有名建築家を使ったハコモノ行政だろ」と。ところが、カフェでくつろぐ人、図書館を使う人、ガラス越しの定禅寺どおりの緑をみながら語らう人、展示会を行っている小さなサークル……と多種多様な楽しみ方をする人であふれていた。実際、家のそばにこんな施設があったら、いいだろうなぁと思えるような施設。
折しも、設計した伊東豊雄の展示をしていて、元事務所の方が解説しているワークショップに遭遇。
モグリでいろいろ裏話を聞いて楽しかった。
実は、うちの田舎にも伊東豊雄の手による公共施設があるのだけれど、パンフやそこらじゅうで、「伊藤」と誤記してあって、リスペクトのかけらもない。活用もこんなふうな日常的な感じじゃないなぁ……。見識の差というやつか。廃れる自治体には相応の理由があるのだろう。

ともあれ、昔との一番の違いは、牛タンのお店の増えたこと。そして、そこかしこの店で大行列してたこと。まぁ、昔は、金もなかったから、ほとんど外食なんかしなかったけれど……。
行列に1時間以上並んでありついてみたら、これが、東京の牛タンとは似て非なるシロモノ。素材の牛タン自体は、オーストラリアで同じなんだろうけれど……調理法が違うということなんだろうなぁ。

ちょっと駆け足だったので、また改めて行きたいな。
正月の初売りの福袋、仙台が発祥らしく、景品表示法の特例が認められているらしい。法律なんかより、はるかに長い歴史があるから。
正月を仙台で過ごすことを検討してみるか……。

連休中、弘前にも足を伸ばしてみた。
高校を卒業した春休みに一度行ったきりだから、だいぶ経つ。
弘前城の桜を見たのは、小学生の頃以来か。
まったく別の町という感じ。

駅は、近在のお婆さんたちが露店を出していた薄汚れた感じではなく、こざっぱり。
土手町は、雁木を備えた木造商店はなくなって、広い道路にアーケード。
昔のいかにも「津軽」という雰囲気はもちろん素晴らしかったけれど、今の感じも個人的には嫌いじゃない。
というか、僕の実家がある町が、すっかり寂れて、中心部の商店街もシャッター通りを通り越して空き地と駐車場だらけになってしまったことに比べれば、どんな形であれ、活力が感じられるのは喜ばしいことに思われてならない。

びっくりしたのは、弘前が「洋館とフランス料理の街」というキャッチフレーズで、観光資源の掘り起こしをしていたこと。
弘前城へ向かう道すがら、洋館を眺めつつ、ぶらぶらする。
ランチを「レストラン山崎」で。
弘前フレンチの仕掛け人のお店。
りんごの冷製スープ」が、この上なく美味。まっとうな食材をまっとうに料理すると、まっとうな味がするという典型。
帰りには、隣に併設されたパティスリーで「バナナケーキ」をお土産に購入。
軽井沢の「エルミタージュ ドゥ タムラ」とか、勝沼の「」みたいな感じで、地方地方に良いレストランが増えると日本ももっと楽しくなるな。
ミシュランガイド、今度、東京版が出るらしいけど、やっぱり日本は、東京の一極集中なのかな。フランスのミシュランガイドって、車でのツーリスト向けのレストラン指南なわけだから、基本、汎フランスで地方のレストランガイド、という理解なんだけど、俺は。だから、地方に目を向けて、汎日本的なレストランガイドの成立は……そんなのは、難しいのはもちろんだけれど、日本ではそもそも求められてないのかもしれないな。やっぱり。というか、「るるぶドコソコ」があれば用が足りるか。

駅前でもらったチラシにしたがって、スタンプラリーをしてみる。
お城に近づくにつれて、ふと気がつくと、前川國男の建物が一杯あることに気がつく。展示内容に格段の興味はなかったが、彼が設計した博物館の中にも入ってみた。
弘前の洋館は、すべてに堀江佐吉という大工が関わっている。彼の建築が、今の観光資源に繋がっている。そこから敷衍すると、この前川國男のモダニズム建築群も100年後に、新たな観光資源になるのではないか。おそるべし、弘前。

弘前城の桜については、何も言うことはない。日本一。以上。

ライトアップまで粘って、晩飯を「」という郷土料理のお店で。
コースのシメで、玉子ごはんが出てきたのだけれど、このただの玉子が、驚愕の一品。でかい。殻が固い。ホントに鶏の玉子? ワニとか? プラスチック製のおもちゃ? といぶかるほど。弘前近郊の農園で、有機で育成されたものだとのこと。まぁ、一事が万事で、こだわりの食材で作られた美味いメシと肴。
とどめに、津軽三味線のライブが始まる。やばいね。なんか、こう、来る。

駅に向かったら、春ねぷたの行列と遭遇。
なんだか、盛りだくさんな一日だった。

リハビリ

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GWは、ツマのヒトと連れ立って、秋田の玉川温泉に行ってきた。

強酸性の温泉と、天然の岩盤浴、(そして北投石からの放射能)……プラセボかもしれないけれど、確かに効いた。

温泉は、身体の弱ってるところにヒリヒリと染みる。痛いぐらいだった。50%に稀釈したところでも、まだ痛い。

岩盤浴は、その辺の岩場に横になるのだけれど、びっくりするぐらい地面が熱くて、すぐに汗だくになった。

なるほど、なんか効きそう、と感じさせるものがあった。

高校生の頃にも行ったことがあるが、そのときにはぜんぜんありがたみを感じなかった。こんなに混雑もしてなかったと記憶している。
もっと長い間、滞在したかったな……。

以下、玉川温泉で岩盤浴をするときのコツのメモ
・所持品は、ゴザ、大きめのタオルケット(×2+α)、着替えの下着、レーサーボトル(自転車に乗る人が使う飲料用ボトル)、折り畳み傘、S字フック
・ゴザは、現地でも売っているが700円〜数千円と意外と高い。100円ショップ・アウトドアショップなどで安いものをあらかじめ買っていった方が良いかも。1畳程度の大きさのものが望ましい。あまり大きいものは他の人に迷惑。通気性・浸透性がないビニールシートや、断熱シート、クッション性のシートは、使い勝手が悪そう。ウィルス性の感染症対策のために、現地の建物の中には持ち込むことは禁止されている。名前を書いておく必要がある。
・保温・吸汗のためにタオルケットにくるまる。大きめの安全ピンが何個かあっても重宝するだろう。1回の岩盤浴ですぐタオルケットはグシャグシャに濡れてしまう。毎回タオルケットを交換するのが良い。未使用のものは枕としても使える。寝袋は、汗だくになっても洗うことが難しい。すぐ駄目になりそうでもったいない。
・着替えの下着の枚数を節約するために、タオルケットの中に入ったら、素っ裸になっている人も多かった。
・レーサーボトルは、水分補給に使う。ペットボトルや普通の水筒では、飲もうとするときに、身体を起こさなければならない。自転車に乗る人が使う飲料用ボトルだと、寝たままで飲むことができる。とにかく大量に汗をかき、エネルギーも消費するので、粉末スポーツ飲料を持っていくと良いかもしれない。
・折り畳み傘は、戸外の好きなところで岩盤浴をするときに、日差しを避けるために使う。
・S字フックは、岩盤浴小屋の中で岩盤浴をするときに、岩盤浴のスペースをなるべく広く確保し、また自分の手荷物をまとめておくために使う。岩盤浴小屋は、5センチ角の角材を組合せて骨格をつくりテント地の布で覆った6畳ほどの小屋である。岩盤浴小屋の梁には、誰が考えたノウハウということでもないだろうが、荷物を掛けておくための紐や針金が残っている。岩盤浴小屋は、3屋ほど設置されているが中は人で一杯となる。順番待ちで行列したり、諦めてその周囲の戸外で岩盤浴したりという人も多数。このため、紐や針金が確実に使えるとは限らないので、自分で使う分は持参したい。針金ハンガーなどでも代行できるだろう。

現地で、居合わせた人に話を聞くと、色々なノウハウを聞くことができる……というか、こちらが初心者と見るや、アドバイスをしてくれる人が多数。